―サニー号船内―
昼ごはんを食べるゾロとフランキー。
フ「また迷子になったのか、ゾロは」
ブ「ヨホホホ。目を離したほんの一瞬でした」
ゾ「迷子って言うんじゃねェ!・・・もぐもぐ」
フ「これじゃおれが行ってもよかったじゃねェか」
ゾ「オレは最初から船番で良いって言っただろ」
ウ「いや、まさか下船したのにメシ食えないヤツが出るトラブルとか想定してねェからよ。公平にジャンケンでだな・・・」
ル「遅ェなー。は。何やってんだ。そろそろ出航だぞ」
ウ「何だ、その来るって自信は」
ナ「まぁ普通の女子であれば来ないわね。お姫様よ?大金持ちよ?あの王子様よ?」
ゾ「・・・」
あの丘で見せた眼差しは決意を秘めた眼差しだった。
ほとんど、どういうヤツなのか知らない。
でも良いヤツで意志が強そうなのはわかった。
ルフィがこれだけ誘うのだからその自分の感じた思いが誤っていないだろうこともわかる。
あの眼差しは、“何”を決断した眼差しだったのだろう。
ロ「ルフィ、いつまでも待っていても仕方ないわ。出航の時は伝えた。ふんぎりは必要よ」
ル「ううううーーーーーっ!!くっそー!!」
ナ「そうね、最後のお別れをちゃんと出来なかったのは心残りだけど、の幸せを祈りましょう」
サ「うええーーーーん!ちゃぁ~ん(泣)」
チョ「う~っ!!寂しいぞー!!」
ブ「ルフィさん、出航の合図を・・・」
ル「ううううううううっ!・・・・・野郎ども、出っこ・・・・」
???「待って!!!」
全「!?」
船の下を見やると、そこには、。
「待ってください・・・はぁっ、はぁ・・私・・」
ル「おお!!来たのか、!!早く・・・」
ナ「待って!」
ル「むが・・・何だ、ナミ!!」
ナ「お別れを言いに来てくれただけかも知れない。が気まずくなるような言い方は・・・」
「私!!私も仲間に入れてください!!!」
全「!!!!!」
ル「ウシシシ!乗れよ!おれらの船に!!」
サ「うおおおお!!ちゃーーーーん!!!」
フ「どうやら“普通の女子”じゃなかったみたいだな」
船に上がってくる。
「ご挨拶は後でさせていただきます。船、出航していただいても宜しいですか?」
ル「おお?いいのか?」
「はい」
ル「よーーーし!!野郎ども、出航だーーーーーー!!!」
全「おお!!!」
船が島を離れ始めた。
すっと息を吸い込んだ。
「スーブーお姉さま!!ターブーお姉さま!!」
「・・・!!!」
港に来ていた姉妹。隠れてはいたがバレていたようだ。
黙って姿をあらわす2人。
「勝手な決断をしてごめんなさい!お店、守れなくてごめんなさい!でも・・・私!!この人達と一緒に行きたい!!」
スーブー「だから、関係ないからってあれほど・・・」
「ごめんなさい!それでも・・・」
「それでも、お姉さまたちはお姉さまでした!!今までありがとうございました!行ってきます!!ごめんなさい!」
涙が止まらない姉妹。
ターブー「最後まで謝ってばかり(笑)」
スーブー「お姫様の座を捨てるなんて・・・ホントバカなコ(笑)」
ターブー「でもきっと・・・」
スーブー「えぇ、きっと・・・」
スーブー・ターブー「あのコは“あそこ”ならきっと笑っていられる」
ル「いやー、だから言っただろ、来るって」
ナ「もォ!お姫様になれたのに・・・ったらー。ま、歓迎だけど」
ル「よーっし!みんな、10人目の仲間だ!!」
サ「乾杯しよーぜ、乾杯。ツマミもバッチリだ」
ロ「ふふ、に一言もらってから始めましょうか」
「え・・・えと・・・どうしよう」
の言葉を待つ一味。
ふっ。息を吐き全員を見やりながら言葉を紡ぎだす。
「皆さんにお会いしてから、色んな事を考えていました」
「皆さんがくれた言葉、行動・・・私が今まで過ごしてきた中でも最も色濃く、鮮烈に私の心に残りました」
「シリル様のこと、お姉さま方の事・・・色々考えたけれど、単純な言葉ですみません」
「私!!皆さんと一緒にいたいんです!!これからずっと!!」
サ「ちゃーーーーん!!おれもだよーーお!!」
ロ「うふふ。単純明快な理由ね」
ブ「ヨホホホ。また素敵なレディが1人」
ル「よし!じゃあみんな、10人目の仲間に・・・」
全「乾杯!!!!!!」
皆がを歓迎し盛り上がる中、がルフィに問いかける。
「ルフィさん」
ル「お?何だ?」
「以前一度聞きかけたんですけれど・・・」
ル「?」
「何でルフィさん達はエニエス・ロビーを崩壊させたんですか?」
そんな事をする人達には見えないため、ずっと気になっていた。
この一味に入った決意は固い。
どんな言葉が紡がれようとも揺らぐ気持ちではないが、どうしても知りたかった。
ル「あの島の事か?何でって言われても・・・
取られた仲間を取り返しただけだ」
ロビン「・・・」
「・・!!ふふっ、そうですか!!あはははは!」
ル「???」
フ「何だァ、楽しそうだなおい」
10人目の仲間、を乗せたサニー号は快晴の海をどんどん進む。
彼らの次の冒険は何が待ち受けているのだろう。